犬と狼の間

え?遊んで食べて寝てちゃだめ?

ミュージカル『エリザベート』感想

エリザベート観てきました。
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あらすじ

自由を愛し、類なき美貌を誇ったハプスブルク帝国最後の皇后エリザベートと、彼女を愛した黄泉の帝王“トート=死”。トートはエリザベートが少女の頃から彼女の愛を求め続け、彼女もいつしかトートの愛を意識するようになる。しかし、その禁じられた愛を受け入れることは、自らの死を意味した。滅亡の帳がおりる帝国と共にエリザベートに“運命の日“が訪れる―。

DVDで何度も観ていたミュージカルを初・生観劇というシチュエーションが初めてで、好きなナンバーが始まるたび大興奮した。特に『私だけに』と『私が踊る時』が大好き。つまりシシィが好きです。
シシィって不思議だよなーと思うのだが、いや、だって彼女、どう考えても自分勝手じゃん。フランツへの態度は置いておいてもルドルフに対して酷すぎるじゃないですか。本来だったらサイゴンのクリスくらいヘイトを集めてもおかしくないキャラだと思うのだけど、広く愛されているのが面白いなあと思う。万里ンツ贔屓の目線で見ているのでもうちょっとフランツに優しくしてよ!とは思いつつ、やっぱりシシィは魅力的だなと思う。

余談だが『私だけに』を聴いていると、結婚しているわけでもないのに歌詞になんだかすご~く共感するのだが、仕事に向けての気持ちに近いんだと腹落ちした。

つまり、

いやよ 大人しい社員なんて
できない 可愛くお茶くみなんて
弊社のものじゃないの
この私は

義務を押し付けられたら
出ていくわ 私

たとえ総合職で就職してても
生命だけは預けはしない
私が生命 委ねる それは
私だけに

ということですね。社会人としてどうなんかとは思わなくはない。

***

ちゃぴちゃんはマタハリの時よりさらに歌の安定感が増している感じがした。相変わらずしなやかで美しくて惚れ惚れ。単純にお顔立ちがめちゃくちゃタイプです。
トートは演じる役者により解釈が大きく変わるイメージだけど育三郎さんのトートは死の概念というか、もはや妖怪かというくらい強かった…というかなんか濃かった。
個人的に一番良かったのは上山さんのルキーニ。ルキーニってストレートプレイっぽさもミュージカルっぽさもあると思っているのだが、上山さんは芝居も歌も巧さがシームレスでノンストレスで観られた。
万里ンツはDVDで何度も観ていたけれど、後半の年老いた演技や歌の重厚さはやはり生じゃないと感じ取りきれない部分があるなと思う(DVDも勿論良いのですが)おじいちゃんからカテコで突然ツルツルの若者になって出てくるの本当に面白い(すごい)


月末は配信がありますね〜。アーカイブがありがたすぎる。*1

*1:既に円盤化をクリアしていることで権利的にOKだからアーカイブできるのかな